2012年02月15日

スプーニング・フォームとは

以前、ドゥニヤのカレーにおけるカレーの食べ方についていくつかの傾向が見られるというレポートを「カレー&ライス学」(過去ログ参照)としてまとめました。
これは、当店の北インド風チキンカレーのようにカレーとライスが別の器に盛りつけられるカレー(以降「セパレート型」)に見られる傾向でした。

しかし世間一般の認識ではむしろひとつの器にカレーもライスも同時に盛り付ける「コンポジット型」が主流のようです。
コンポジット型にもいくつか種類があるのですが、一般家庭や学食、大手チェーン店に見られる盛り付けは上記カレー&ライス学にある「大洋と大陸(Ocean&Continent)」スタイルが主流と思われます。

この大洋と大陸スタイルのカレーがさらに2つの流れに分かれ、ライスは右側派と左側派に分けられます。同じ右利きでもライス右派(以降「ライトライス」)とライス左派(以降「レフトライス」)に別れるため、単純に利き腕の問題というわけでもなさそうです。

両派とも主張があり全く譲らないため、これを「カレー左派右派論争」と呼ぶことにします。

それぞれの主張を聞いていくと、今度は食事におけるライスの位置づけ、どう食べるのが効率的か、どう食べるのが美しいかという違いが見えてきます。
そして同じライトライス派(orレフトライス派)であっても、その食べ方に豊富なバリエーションがあることが分かりました。

お皿、ライス、カレー、具材、トッピング、付け合せ、お冷、おしぼり(orナプキン)、スプーンの組み合わせで無限にバリエーションが生まれますが、今回はスプーン、特に「スプーンの操作フォームの違い」に注目してみたいと思います。


ここでは、「カレーを華麗に食べるためのスプーン操作技術」
のことを「スプーニング」と呼ぶことにします。

スプーニング
カレー皿上での高度な操匙技術。持ち方にはペングリップ、サムグリップ、シェイクグリップがある。フォームにはフォアハンド、バックハンド、バックトリックなどがある。

カレーを楽しむ人(以降「プレイヤー」)は巧みなスプーニングによりテンポよくカレーを平らげます。
プレイヤーがレフトライスかライトライスか、右利きか左利きか、という問題がありますが今回はスプーニングについてのみ書きます。スプーニングはいずれの組み合わせでも有効なテクニックです。

スプーニングにおいて一番最初に重要なポイントは

「最初にスプーンをつけるのはライスが先か、カレーが先か」

ですね。この、最初にスプーンが触れるタイミングのことを「タッチスプーン」と呼びます。

タッチスプーン
スプーニング(操匙)の際、スプーンとカレー(orライス)が最初に接触する瞬間。カレーをすくいながらライスに至るか、ライスを崩してからカレーに浸すかでタッチスプーンが変わる。ライスからなら「タッチスプーンライス」カレーからなら「タッチスプーンカリー」である。タッチスプーンが「グラスのお冷」というのは反則(ウォーター・ハザード)である。オーディエンスは繊細かつ絶妙なタッチスプーンを目の当たりにしたときは「\ナイスタッチ!/」と声をかけるのがマナー。
そしてタッチスプーンライスにより、ライスが一口大に切り崩されることを「ライスブレイク」と呼びます。

ライスブレイク
ライスの一部(概ね一口大)をスプーンで切り崩すこと。ライスブレイクの後、カレーと絡めてスプーニングする。オーディエンスは美しいライスブレイクを目の当たりにしたときは「\ナイスブレイク!/」と声をかけるのがマナー。
タッチスプーンから流れるような、あるいはリズミカルなスプーニングによりカレーを口に運び、フィニッシュします。
ここにもいくつか戦略的スプーニングがあるのですが、それはまた今度。

今回は代表的なスプーニング・グリップとスプーニング・フォームをご紹介して終わりにします。

いろいろなスプーニング・グリップとフォーム
スプーニング・フォームいろいろ


サム・グリップ
スプーンの柄を、人差し指の側面と親指の腹ではさみ込むように持つグリップ。ペングリップのようにフォームのバリエーションは少ないが、残りの三指を開いたり閉じたりヒラヒラと優雅に振る舞うことができる。実用性よりも見た目の華美さを優先するグリップ。

シェイク・グリップ

スプーンの柄を握りこむように持つ。繊細な指先での操匙は必要とせず、手首のスナップをダイレクトに匙先に伝える。このためライスブレイクも豪快で、多少冷めたライスも物ともせずブレイクできる。反面、大人がこのグリップを使い続けると周囲の視線を集めてしまう。別名「チャイルド・グリップ」とも呼ばれる。

ペン・グリップ

スプーンの柄を、親指、人差し指、中指の三指を使って支えるグリップ。ペンをもつ要領。三指を使って食べるのが上品で美しいとされるのは和食やインド料理にも通じるものがある。一番オーソドックスなグリップである。ちなみに平安時代の貴族の間では「匙先三分」といわれ、匙先の3割以上汚さずにカレーを食べるのが雅であるとされたが、カレーが国民食と呼ばれるほど普及した現代においては匙先全体を使うのは良しとされる。 

フォアハンド

フォアハンドは、利き手方向から反対に操匙するフォームである。右利きなら右から左へ。あるいは皿の奥から手前へ。少し手首を外側に返し気味に。匙の表面は自分の方を向くように保持する。

バックハンド

バックハンドは、利き手反対方向から利き手方向に操匙するフォームである。右利きなら左から右へ。あるいは皿の手前から奥へ。手首は内側に返し気味に。匙の裏面が自分の方を向くように保持する。

バックトリック

バックハンドの変形版。ペングリップで持ち、三指を握りこむように持つと匙先が自分のほうを向く。テーブル席で対面する相手からみると、スプーンを持たずに手で食べて見えるという、ストリート(大衆食堂)から生まれたトリック・スプーニングのひとつ。ちなみに手で食べるのは反則(ハンド ※ただし、日本ルール)である。また、若い婦女子が行うと女子度が高まる場合がある。ただし、トリックはあくまで不完全にするのがコツ。なのでトリック・スプーニングとしては成立しないが目の前の異性の心は射止められる可能性が高い。

…とかなんとか、思いつきで書きましたが、最終的にスポーツみたいになっちゃいましたね^^;
ダンスにも競技ダンスやストリートダンスがあるように「競技カレー」が誕生したりして。


ラベル:スプーニング
posted by ドゥニヤ at 18:44| 競技カレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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